太白山
――××君に告げる
太白山へ赴き雪を愛でる
雪の色は、くれない
太白山へ赴き太陽を眺める
太陽は君を凍死させることができる
太白山のはるか高みに立てば
草花は育たず、鳥すらとどまる事ができない
太白山は、神仙の土地
永遠に炊事の煙が立ち昇ることはない
太白山へ登るなら
むしろ物の怪の巣へと行きたまえ
1983 冬